秋になると食べたくなる果物といえば「梨」。
あのシャリシャリとした食感と、口いっぱいに広がるジューシーな果汁を思い浮かべると、つい食べたくなってしまうのは私だけでしょうか?
ある日、秋が待ち遠しいなぁと思っていると、まだ暑い夏なのにスーパーや果物屋さんに梨が並び始めていました。
あれって美味しいのかな?
どうせなら旬の時期に、一番美味しい梨を食べたいですよね!
そこで、梨のベストシーズンや種類ごとの違い、美味しい梨の見分け方や保存方法など、梨を最高に楽しむための情報を徹底的に調べてみました。
梨が一番美味しい季節はいつ?
梨といえば秋が旬と思われがちですが、実は8月から10月が美味しい時期なんです。
スーパーで漢字の名前がついた梨を見かけることもありますよね。
実は梨にはたくさんの種類があり、それぞれに旬の時期が異なります。
夏に見かける梨もあれば、秋や冬に楽しめる梨もあるんですよ。
意外と長い期間楽しめる果物なんです。
特に「8月〜10月」は、多くの種類が出回り、私たちが普段食べている梨の旬となります。
では、具体的にどの種類がいつ旬を迎えるのでしょうか?
どんな種類の梨があるの?
せっかくなので、スーパーなどで早く登場する順番(旬の時期が早いもの)に梨の種類をご紹介しますね。
幸水(こうすい)
旬の時期:7月、8月、9月
国内生産量:第1位(梨生産量全体の約40%)
形:やや扁平でお尻のくぼみが深い
皮色:茶色と黄緑色が混ざったまだら模様
味:果肉が柔らかくて甘みが強い
二十世紀(にじゅっせいき)
旬の時期:8月、9月、10月
国内生産量:第4位(梨生産量全体の約10%)
形:幸水より少し大きめの円形
皮色:黄緑色
味:他の梨と比べて特に水分量が多く、甘みを抑えたさわやかな味わい
豊水(ほうすい)
旬の時期:9月
国内生産量:第2位(梨生産量全体の約30%)
形:二十世紀よりさらに大きめの円形
皮色:黄金色
味:強い甘みに酸味が加わった濃厚な味わい
新高(にいたか)
旬の時期:9月、10月、11月
国内生産量:第3位(梨生産量全体の約10%)
形:大きな円形(ソフトボール大からそれ以上の1キロを超える大きさも)
皮色:黄金色
味:香り良く、果肉が柔らかくて甘みが強い
南水(なんすい)
旬の時期:9月、10月、11月
国内生産量:第5位(梨生産量全体の約2%)
形:やや大きな円形
皮色:黄金色
味:芯付近にも酸味がなく、全体的に非常に甘みが強い
あきづき
旬の時期:9月、10月、11月
国内生産量:第5位(梨生産量全体の約2%)
形:大きな円形
皮色:黄金色
味:二十世紀に近い水分量の多さで、甘みが強い
新興(しんこう)
旬の時期:10月、11月(貯蔵性が高く年明けまで見られる)
国内生産量:第5位(梨生産量全体の約2%)
形:やや大きな円形
皮色:黄金色
味:水分量が多く、程よい甘さと酸味がある
※梨にはたくさんの種類がありますが、ここでは生産量の多いものを中心に取り上げています。
(生産量は平成22年産のデータ)
代表的な種類と旬の時期が分かったところで、気になる梨はありましたか?
甘いのが好きな人は「南水」、さっぱりと喉を潤したい人は「二十世紀」が良さそうですね。
さて、特徴は分かりましたが、たくさん並んでいる同じ種類の梨から、少しでも美味しいものを選ぶにはどうしたら良いでしょうか?
次は、梨の美味しい見分け方について見ていきましょう。
梨の美味しい見分け方は?
同じ値段で買うなら、やっぱり美味しい梨を選びたいですよね!
ここで覚えておきたいポイントは5つ。
これを参考にして、店頭で梨を選んでみてください。
ポイント1〈重さ〉
ずっしりと重いものを選びましょう!ジューシーな梨に出会えます。
ポイント2〈形〉
お尻がどっしりとして平らなものがベスト!お尻の方に甘みが詰まっているんです。
ポイント3〈色〉
- 赤梨(幸水、豊水などの茶色い梨)は、赤みを帯びているもの!
- 青梨(二十世紀などの黄緑色の梨)は、黄色みを帯びているもの!
これらがより美味しくて甘い状態です。
ポイント4〈軸〉
しっかりとした軸で、干からびていないものを選びましょう!
ポイント5〈皮〉
皮に張りがあるものが良いです!
基本的にはこの5つですが、梨の種類はたくさんあるので、もっと詳しく知りたい方はお店のプロ、店員さんに話を聞いてみるのもおすすめです。
さて、こうして選んだ梨の保存方法はどうすれば良いのでしょうか?
次は、買った美味しい梨を無駄にしないための保存方法について見ていきたいと思います。
その前に、皆さんは「追熟」という言葉をご存知ですか?
梨に限らず、果物の食べ頃や保存方法を知る上でとても大事なポイントなので、まずは「追熟」についてお話ししたいと思います。
「追熟」って何?
お恥ずかしながら、今回初めて「追熟」という言葉を知りました。
果物には「追熟」するものと、そうでないものがあるんです。
「追熟」とは、ある程度時間を置くことで甘みが増して食べ頃になることを指します。
例えば、バナナ。まだ熟していない黄緑色やきれいな黄色のバナナが売られていますよね。
そういったバナナは、買ってから少し置いてシュガースポット(黒いまだらな点)が出てから食べると、より甘くて美味しくなると聞いたことがある方も多いでしょう。
そうなんです。バナナは追熟する果物なので、買ってすぐに食べるよりも、食べ頃になるまで熟させてから食べたほうが美味しいんです。
では、梨はどうでしょうか?
梨もバナナのように数日置いたら甘くなるのか?というと、実はそうではありません。
日本の梨は追熟しないのです。(洋梨は追熟します)
つまり、収穫時が食べ頃なので、買ってすぐに食べるのが一番美味しいんです。
とはいえ、数日後に食べることもありますよね。
そんなときは、保存方法を少し工夫するだけで美味しさを保つことができます。
どのような方法なのか、次に見ていきましょう。
梨の保存方法ってどうすればいいの?冷蔵庫に入れたほうがいいの?
梨は冷蔵でも常温でも保存できますが、一番おすすめの方法は常温で保存し、食べる1〜2時間前に冷蔵庫で冷やすことです。
常温で保存する際のポイントとしては、日の当たらない風通しの良い場所で、新聞紙やビニール袋に入れて保存することです。これで3〜4日間美味しさが保たれます。
なぜ買ってすぐに冷蔵庫に入れるよりも、食べる直前に冷やした方が良いのかというと、冷蔵庫内は乾燥しているためです。
梨の美味しさの特徴である「みずみずしさ」が失われると、美味しさが半減してしまいます。
また、長時間冷やされた梨は甘みが感じにくくなるとも言われています。
とはいえ、前もって1〜2時間前に冷蔵庫に入れるのは面倒、あるいは3〜4日では短くてもっと長持ちさせたいという方もいるかもしれません。
そういった場合は、次のことに注意して冷蔵庫に入れると良いです。
乾燥を防ぐために、新聞紙に包んでからさらにビニール袋に入れて野菜室に入れると、1週間程度美味しさが保たれます。
少し手間ですが、その手間を惜しむかどうかで、せっかく買った梨の美味しさが変わってきます。
では、みずみずしくて美味しい梨ですが、美味しいだけでなく栄養もあるのでしょうか?
梨にはどんな栄養が含まれているの?
梨はとてもみずみずしいのが特徴で、その成分の約90%は水分です。そのため、喉が渇いたときにぴったりの果物と言えます。
その他の成分としては、カリウムや食物繊維が豊富に含まれています。以下のようなシチュエーションでも梨を食べると良いでしょう。
- 風邪を引いたとき(解熱作用、咳止め)
そのまま食べると熱を下げる効果があり、絞り汁やすりおろしたものを加熱すると咳止めの効果が期待できます。 - 便秘気味なとき(便秘改善)
梨のシャリシャリした食感は食物繊維の一種で、便秘改善に役立ちます。
さらに、疲労回復や二日酔いにも効果があると言われているので、普段から積極的に食べたい果物ですね。
梨のベストシーズンはいつ?種類ごとの特徴や美味しく保存するコツもご紹介!まとめ
ここまで梨についていろいろと調べてきましたが、私の一番の発見は、梨が美味しい状態で収穫されているということです。
店頭に並んでいる状態が一番美味しく、なるべく早く食べた方が良いんですね。
ここまで読んでいただき、皆さんにも何か新しい発見があったら嬉しいです。
旬のものを食べると、その美味しさだけでなく、「その時期だけ」という特別感や満足感も得られますよね。
ぜひ、いろいろな種類の梨を楽しんで、旬の味わいを満喫してみてください。